ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書 1883)



英雄伝説VI 空の軌跡 FC&SC スペシャルコレクションブックゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書 1883)ブレス オブ ファイア オフィシャルコンプリートワークス (カプコンオフィシャルブックス)パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されないニンテンドーDSゲーム攻略・改造データBOOK―ダイヤ&パール誰にも負けない最強ポケモンを作る (三才ムック (Vol.143))ゲームシナリオの書き方 基礎から学ぶキャラクター・構成・テキストの秘訣 (NEXT CREATOR)東大式・麻雀入門―すぐに覚えるあがり役と点数計算ファイナルファンタジーVIIIアルティマニア (SE-MOOK)真・三國無双4 公式設定資料集ドラゴンクエスト8 公式ガイドブック 上巻 ~世界編~ (SE-MOOK)


ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書 1883)
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書 1883)

ジャンル:
セールスランク:10555 位
発送可能時期:通常24時間以内に発送
参考価格:¥ 840 (税込)

ご購入前のご注意
当ウェブサイトはAmazonウェブサービスにより実現されております。 商品の取引契約および商品に関する情報は全てAmazon.co.jpの取り扱いとなります。

購入する

ラノベや美少女ゲームの構造を読み解く

「大きな物語の喪失」「データベース消費」「動物化」などのキーワードでオタク文化を語った著者の前著がなかなか興味深かったため、本書を手にとりました。

ライトノベルは、従来の小説が立脚している自然主義的なリアリズムではなく、「まんが・アニメ的なリアリズム」をベースに成り立っているという論議は興味深いものです。キャラクターの「属性」だけが一人歩きして、世界観や(自然主義的な)リアリティとは関係なく存在している、という議論は、ひとつの作品が、その当初の設定や世界観を超えて、多種多様なコンテンツへと展開されている現状をうまく説明できていると思います。

こうした、共有化された「お約束」に基づく作品群が、日本のオタクの世界だけでなく、オタク以外の人に、また、歴史や文化を共有しない外国人にどのように理解されうるのか、という点は非常に興味があります。「まんが・アニメ的なリアリズム」の共有が作品理解の前提なら、大きな広がりを見せないはずですし、そうでない何かがあるのなら、オタク文化が更なる発展を向かえる可能性もあるでしょう。

なお、後半の作品紹介についてですが、やはり、自分で体験しなければ実感を持って感じることのできない種類の議論だと思いますので、「ネタバレ」を大々的に展開しながら語るのはどうかという気がします。(ネット上で、既読後、プレー終了後の方を前提に語るならまだしもですが)

いずれにしても、議論としてはなかなか面白いものです。ただ、作品紹介の事例を通じて議論を一般化しようというのはちょっと深読みがすぎる感じもします。好き好きが分かれるところでしょう。

全体的には、前著の枠組みを発展させた議論でなかなか興味深く読めました。まぁ、こんなことを考えながらラノベやゲームをする人は少数派でしょうから、あまり大上段に語るのもどうかとは思いますが。
楽しかった

 オタク文化のお約束の流れについての簡単な仕組みや批評、消費者の欲求について述べてある本。正直全てを理解出来たわけではないが、漠然と自分が何を求めているのかは実感出来ました。

 仕組みを少なからず理解し、それが陳腐化しても好きってあたりが、やっぱオタク文化が好きなんですね。製作側ではなく共有側、同人側として今後も付き合ってゆけるのが私とってのオタク文化のようです。
バトルジェットとバトルクラフトだけじゃレッツコンバイン無理

文学=自然主義?

著者はライトノベルや美少女ゲームに見られる「メタ物語」性を
積極的に評価してこうしたジャンル(=自分の趣味)を称揚して
いますが、自然主義以降の文学の成果についてまったくといっていいほど
触れられていません。具体的には田山花袋の次に登場するのが最後の最後に
村上春樹。その間がずっぽし欠落しています。

「仮構を通してこそ描ける現実」(103p)があるとしているけれど、
んなもんは何もライトノベルではじめて試みられたわけでじゃなくて、
意匠は違えどすでに既存の文学内でさんざんなされています。
(安部公房でもボルヘスでもヴォネガットでも、それから『ドンキホーテ』でも
いいけどひとつでも読んだことあります?東さん。)

で、最後の最後に舞城王太郎を村上に直結させて評価しようとしてるけど
それって結局ライノベが既存の文学に回収されるってことじゃないの?
それとも春樹がライノベだったってこと?(それなら首肯しますけどw)

ライノベはライノベでブンガクなんて無視して我が道を往けばいいと思うけどなぁ。

ま、『ハルヒ』とかの驚異的な発行部数を見れば(さらにいわゆる純文学のとほほな
発行部数と比べれば)、ライノベに関するこうした著作があっていいけど造語マニア
なポストモダニストの悪い癖が出ちゃてますね。

下のレビューで「この批評は誰のため?」と書かれている人がいますが、
要するにエロゲーやってオナニーしてる自分の肯定(私もときどきしますが!)
とたぶんライノベ馬鹿にしてる文壇とあと確実に大塚英志に向けられてると思われます。はい。





オタクがあってオシャレがない

オタク論としては申し分ないと思いますが、
オタクの感性を説明しただけで
現代サブカルチャーの全てを分析したように思われるのは心外です。
認知度が高くなってきたとはいえ、オタクはまだまだ少数派です。
若者文化で支配的なのは、オシャレに対する感性だと思います。
「オタク」と「オシャレ」は似て非なるものですが、
著者はその2つを混同しているのではないでしょうか?
ライトノベルやエロゲーにはオシャレがありません。
従って、著者の言う「ゲーム的リアリズム」が
主流文化にまでのしあがることはないと思います。
それに私の考えでは、村上隆がオタクからの評判が悪いのは、
彼がオシャレな感覚に基づいて作品を制作しているからです。
「オタク感覚」と「オシャレ感覚」の両方に通暁した、
広い視野を持った思想家の登場が待たれます。
プレーヤー視点の文学の誕生

作品全体を俯瞰できる「プレイヤー」という存在に、シナリオ進行上の役割や存在意義を与えている、
そのような作品が最近のゲーム、小説には増えている、というのが筆者の主張でしょうか。
ゲーム的な構造を理解し、作品を切り離された外部から眺めがちになっていったプレーヤーを、
その位置に居座らせたまま物語内部へと引き込んでいくための仕掛けだと述べています。
そのような「プレーヤー視点の文学」の出現、というのはなかなか面白い指摘でした。

しかし、この変化が従来の文学との関係でどの位置にあるのかについてはやはりよく分かりませんでした。
オタク自身によるオタク文化の評論は既に多く行われており、
筆者に期待されているのは過去の文学とラノベのような「軽い」文学との統合だと思ったのですが。
前半部ではその議論がなされていたのに、いつの間にか発散してしまった印象がありました。
次はそこをもっと突き詰めて、一般層にも分かるような評論をして欲しいものです。



講談社
動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル
東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス 1074)
物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」 (角川oneテーマ21)
サブカルチャー神話解体 増補―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫 み 18-3)







         
         
         
         アデナ